5月の音色

 自分のブログを見ていると、年末年始か、ゴールデンウィークにしか書いておらず、如何に余裕のない毎日を送っているのかが、そんなことからも分かります。

 4月に長男が大学生になり、お祝いに昨年購入したばかりのM1のMacbook Airをあげることにして、それを口実に自分にはM1の13インチMacbookProを購入しました。

 Airも初代の時から驚くような音質と音圧で、パソコンで音楽を聴くという体験をまったく異次元のものにしていましたが、今回の13インチのProも流石Proで、一聴してAirとははっきりと一段違う音質を奏でるスピーカーを持っているのが嬉しいです。私のように、ゴールデンウィークでも気がつくと一日の大半の時間キーボードに触れているような生活を送っている人間にとっては、目の前のキーボードの脇から溢れる音の質は、そのまま生活の質に直結するのです。

 勿論機材の進化はMacだけではなくて、2016年頃から、民族音楽寄りの音楽で、アコースティックな楽器、特に、ギターやピアノの様にアタックのある楽器の音色を美しい原音のままに捉えた録音が増えたように思います。すぐに思いつくものだけを挙げても、Joe Henry プロデュースで CHELY WRIGHT が You are the River と謳う I Am the Rain や、The Gloaming の一連のアルバム、特に、2018年のライブアルバム、そして、Birds of Chicago の Real Midnight といったアルバムは、何度聴いても飽きることなく、楽曲やパフォーマンスの素晴らしさだけでなく、その楽器の音色がいつ聴いても耳のご馳走に感じられます。

 いずれも、甲も乙もないのですが、風にみどりの薫りが漂う今の季節には、ミナスと呼ばれる一連のブラジル音楽などは、最高の相性が発揮されます。

 ギターとピアノの兄弟デュオ、Duo Taufic がミナス出身の女性歌手 Paula Santoro と組んで、2018年に発表した Tudo Será Como Antes は、複雑で洗練された印象の中南米音楽の中でも、殊更手が込んでいて、高級感に溢れており、一級の工芸品に触れたような感覚に打たれます。ドビッシーやプーランクの歌曲が好きだという人には、間違えなくおすすめできます。