日弁連シンポジウム

午後日弁連のシンポジウム「日米地位協定を検証する! 〜ドイツ・イタリアと比較して〜」に参加して来ました。

 日弁連内のクレオという1番大きな講堂(部屋)BCでの開催でしたが,次から次へ来場の方が増え,完全に溢れてしまって,職員の人たちが,資料の刷り増しをして,椅子を登壇者の周りにまではみ出して並べるということを開演後1時間を経過してもまだ続けている状態で,70年ごろのフォーク集会はこんなだったのかしらと思わせるような大変な人出でした(しかし,米軍の地位協定で,自分の国の領域内のことに主権が及ばないような,環境汚染の調査も,事故事件の検証もできないような国は,悲しいかな日本だけなんですね。まぁ,ユーロ圏は違うようには思ってましたが,アフガニスタンですら,法的に,アメリカ軍と対等だとは知りませんでした。まったく知らないということは恐ろしいことです。)。
 
 今年9月6日に前川さんを招いて行う講演会の持ち方について詰めの作業を行うため,来週前川さんと会うお約束を頂いていることから,少し前川さんのことについて予習しておかなければならないと思い立って,シンポジムの会場に向かう道すがら,前川さんの御本を一つ読み始めました(遅すぎですね。)。「これからの日本、これからの教育」(前川喜平/寺脇研著)です。「はじめにに代えて」という冒頭の文章の中で,前川さんは,ご自身の不登校体験を赤裸々に告白された後,宮澤賢治の「農業芸術概論要綱」を引用されています。「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と(とうの昔に賢治が言葉にしてくれていたことはとても嬉しい限りですが,そんなことも知らずに,同じようなことを,あちらこちらで話していたとは,恥ずかしいというか,やはり無知とは恐ろしいものです。)。
 
 やはり,ごく最近まで知らなかったのですが,これも,このところ毎日聴いているので,知らなかったついでで,ご紹介したいと思いました。Madeleine Peyrouxというぼくにとっては未知のアーティストが昨年発表したAnthemというタイトルのアルバムです。ジャンル的には,ジャズボーカルということになっているようですが,もっと幅広い音楽で,朝聴いてもとても気持ちよく1日を始められます。一聴した感じ,ぼくの知っているところでは,一番近いのはMaria Muldaurでしょうか。声だけ聴いていると,ふくよかで艶っぽい大人の女性がイメージされますが,リリックなどは,もっと知的で洗練された印象も残します。昨年くらいからでしょうか,Apple musicでは,基本的には再生中の曲の歌詞もでるようになったので,iPhoneを片手にちょっと気になった歌詞を確認するようなことも簡単にできるようになりました。たとえば,4曲目のタイトルナンバーのサビのフレーズは,こんな感じです(この曲,難民問題などを扱っているようにも読めなくもないのですが,ぼくの英語力,詩を読む力では到底解りません。)。
 Ring the bells that still can ring

 Forget your perfect offering
 There is a crack, a crack in everything 
 That's how the light gets in

 あらゆるものにはヒビが入っているから,そこから光が生まれる,完璧を求めなくていい,あるがままに鐘を鳴らせばよいというメッセージは,すでにヒビだらけの大人には有難い台詞で,それが演奏や音楽の全体からも伝わってくる職人芸のようなえも言われぬ絶妙な雰囲気にあっていますね。
 日本でも,こんな雰囲気のある大人の楽しめる音楽にもっと市場性があってもいいんじゃないかとついつい思ってしまうのですが,詰まる所,それは聞き手であるリスナーの側の問題ですよね。どんなに不平等な地位協定でも,それを受け入れているのが他でもない日本国民だということとおんなじなんでしょうね(どれほど人の後を付いて行くのが好きなんでしょうか。)。ストリーミング配信が,大人にも楽しめるような音楽をしっかり大人に届けることができているように,新しいシステムや,やり方で何か風穴を開けるようなことができたりするのでしょうか。
 

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コメント: 1
  • #1

    安藤肇 (木曜日, 06 6月 2019 10:52)

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